20111214東京新聞夕刊より
文化 田中和生さん 対談 沼野充義さん
文芸この一年 大震災の影響
強い文学は違う意味を放つ 沼野さん
批評をリアリズムで 田中さん
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田中 今年の後半、きっちりしたリアリティーの中に自己を取り込んだ世界を描いた作品に目が行きました。
沼野 村田喜代子さんの「光線」(文學界10月号)はがんの放射線治療の話。震災後の状況で読むと意味が違ってくる。
田中 リアリズム的な世界に震災を取り込む手法が、震災に対する批判的な支店を上手く読者の元に届ける優れた手段だと感じた。
白岩玄さんの「終わらない夜に夢を見る」(文藝冬号)はさりげなく震災を取り込んでいる。